飲食店に限らず、経営者にとって
収入が安定しないことは、悩みのひとつに挙げられます。
「店の売り上げ以外にも収入があれば
少しは気持ちが楽になるのに…」
と思ったことが誰でも一度はあるでしょう。
そのような時に、投資を思い浮かべる方は少なくありません。
「そうは言っても、投資はしたことがないから怖い」
そのような方に向けて、本記事では
極力リスクを抑えて少額からでもできる
投資の方法を紹介します!
結論から書くと、初心者に一番おすすめの投資は投資信託。
そして本記事では投資信託のリスクをできるだけ抑えられる、
投資の基本「分散投資」の考え方を解説します。
分散投資は、
『投資分散』『時間分散』
の2つに分けられます。
その意味を順番に、それぞれ見ていきましょう。
重要なポートフォリオの考え方も
表を用いて解説します。
ぜひ最後までご覧ください。
- 投資って興味があるけどよくわからない。
- 投資してみたいけど、できれば損はしたくない。
- 分散投資が大事って聞くけどどういう意味?
これから投資を始めたい方、投資初心者の方におすすめの記事です!
この記事を書いた人
元銀行営業マン。当時メイン項目だった
投信・保険部門でトップセールスを獲得。
脱サラ後、飲食店を経営し、コロナ禍にも関わらず
地元法人に売却できる店舗に成長させた。
現在は飲食店経営者へのサポートやコンサルをしている。
1.分散投資の基本!投資分散とは
分散投資を説明する際に、よく使われる例えがあります。
Aさんは卵をひとつのかごに20個入れていました。
しかしそのかごを落としてしまい、
すべての卵を割ってしまいました。
Bさんは20個の卵を3つのかごに分けていました。
もっとも頑丈ななかごに10個を入れ、
残りの10個は5個ずつ2つのかごに分けました。
Bさんもかごをひとつ落としてしまいましたが、
割れた卵は5個で済みました。
上記の例で重要なことは、
Bさんはリスクを回避するために、
大切な資産(例でいう卵)を分散することで守っていたのです。
この例を投資に置き換えてみましょう。
Aさんは2000万円を○○社株に投資していましたが、
株価急落により多額の損失を出してしまいました。
Bさんは○○社株に500万円、米国株式の投信に500万円、
安定性、信頼性の高い投資信託に1000万円投資しました。
Bさんは○○社株が損失を出しても、
残りの1500万円が利益を出していたので、
Aさんのような悲劇にはなりませんでした。
つまり投資分散とは、
投資する対象を分散することです。
さらに投資信託は、投資のプロ集団がさまざまな投資対象を
組み合わせて、パッケージ化して販売する金融商品です。
国内債券、外国債券
国内株式、外国株式
国内の不動産、外国の不動産
投資の対象は大きく分けて、上記の6種類に分かれています。
6種類それぞれに、さまざまな組み合わせの
パッケージ商品が作られているのが、投資信託です。
もっと詳しく
債券:国自体の成長性に投資
株式:その国の会社の成長性に投資
一般的に債券の方が株式よりローリスクローリターン、
株式の方がハイリスクハイリターンといわれています。
つまり、対象によってリスクの大小がわかりやすいので、
6種類を目的に応じてかけ合わせ、投資する対象を分散しましょう!
投資信託は、プロが投資する対象を選んで組み合わせたものを
ひとつの銘柄として販売しているので、投資分散の対策にはもってこいです。
ちなみに数年前までは、東京オリンピックに向けて日本株式が人気でした。
最近のトレンドは、高利回りで配当金の高い米国株式が人気です。
※配当とは、利益の一部を定期的に受け取る仕組みのことです。
2. 投資初心者のための時間分散の考え方
投資信託をはじめ、投資商品は相場に左右にされます。
売り買いするタイミングで損益がすべて決まってしまいます。
しかしその判断は、初心者には簡単ではありません。
そこでおすすめしたいのが時間分散という考え方です。
時間分散とは、購入するタイミングを分けること。
極端な例ですが、下のグラフをご覧ください。
グラフの縦軸が基準価額、横軸が売買の時期です。
例えば、ある投資信託を1月に30万円分買って、3月に売ると仮定します。
グラフ①~④のように、さまざまな値動きのパターンが予想されます。
この場合、利益が出るのは①のみです。
①:30万円→60万円
②:30万円→15万円
③,④:30万円→30万円
3月時点での価格は、このように変動します。
(※投資信託でこのように激しい値動きは、基本的にありえません。
わかりやすく計算しやすくするために、極端な例を挙げています。)
上の例を踏まえて、
仮に30万円を一括で買うのではなく、
毎月10万円ずつ買った場合はどうなるのでしょうか?
購入できる口数に売却時の約定価格をかけて、簡単な計算で比較してみましょう。
①の場合、一目瞭然ですが利益が出ます。
1月の基準価額は5,000円、2月は7500円、3月は10,000円とします。
毎月10万円投資すると、投資額(10万円)÷基準価額=口数なので、
1月は口数20万口、2月は13万口、3月は10万口を購入できました。
(実際の取引では売買時に手数料が掛かりますが、今回はあくまで比較のための計算なので割愛します。)
3か月で43万口購入して、基準価額10,000円で売却します。
43(万口)×10000(円)=430,000円(130,000円の利益)
①は30万円が3か月で43万円になりました!
時間分散でリスクヘッジしている分、
一括買いより利益は減りましたが、
下がった場合の損失も抑えられます。
②~④のパターンも引き続き見てみましょう!
②10万口(1月)+13万口(2月)+20万口(3月)=43万口
43万口×5000円=215,000円(85,000円の損失)
→一括で買うより65,000円損失が少なくすみました。
③20万口(1月)+10万口(2月)+20万口(3月)=50万口
50万口×5000円=250,000(50,000円の損失)
→一括で買うより50,000円の損失が出ました。
④10万口(1月)+20万口(2月)+10万口(3月)=40万口
40万口×10,000円=40,000万円(100,000円の利益)
→一括で買うより100,000円利益が発生しました。
「④はなんでこんなに利益が出るの!?」
多くの方は、そう思われたのではないでしょうか。
上記のように買うタイミングを分散する買い方は、
「ドルコスト平均法」と呼ばれます。
ドルコスト平均法では、
毎月買うのは、一定の金額で買える口数のみです。
そうすることで、
値が下がったときに口数を多く買い、
上がった時点では自動的に買う口数が少なります。
結果として、リスクの低減につながるのです。
つまり④のケースでは、
一気に値が下がった2月に口数をたくさん買って、
上がった3月に売却したことで、大きな利益が出ました。
「ドルコスト平均法」は、
本来悲観すべき値下がりを
チャンスに変えられる手法です。
リスクヘッジにより、②の場合も
一括で買うより損失は少なくなりました。
③は時間分散により損が出るケースとなっていますが、
この場合はもっと早く手放すことができたでしょう。
証券会社によっては、毎月同じ金額分、
自動で買い付けられる機能もあるので、
忙しい方でも気軽に始めることができます。
時間分散をうまく活用して、
リスクヘッジを心がけましょう!
3. 失敗しないために!ポートフォリオの考え方
ポートフォリオも、投資をする上では大事な考え方です。
ポートフォリオとは、資産の色分けともいわれます。
金融業界では、もともとは投資家が
「何にどれだけ投資しているか」を
管理するためのものを、ポートフォリオと呼んでいました。
投資を始める場合は、ポートフォリオを
意識した投資を心がけましょう。
まずは、保有している資産を、自分や家族の
ライフイベントに合わせて以下のように決め、
それぞれの運用方針を定めましょう。
- 10年は手を付けたくないお金
- 極力手を付けたくないお金
- 運用して増やしたいお金
- 使う予定はないけど、いつでも使えるようにしておきたいお金
具体的には、以下のような使い分けが考えられます。
- 10年は手を付けたくないお金
→保険(終身保険で手堅く運用) - 極力手を付けたくないお金
→ローリスクローリターンな投資信託。
長期運用を見越して、NISAを活用。 - 積極的に運用して増やしたいお金
→ハイリスクハイリターンな投資信託。
高配当の銘柄や、短期取引向けの銘柄がおすすめ。 - 使う予定はないけど、いつでも使えるようにしておきたいお金
→普通預金や定期預金で管理。
グラフにすると、このようなイメージです。
上記の卵の例ともつながりますが、
リスキーな商品を多額に抱えると、
不測の事態に対応できません。
自身の資産を割り振りして、
無理のない投資を心がけましょう。
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まとめ
投資の経験がなければ、リスクを取るのは怖いですよね。
リスクはやり方次第で減らすことができます。
インフレが加速している現代において、投資をしないことのほうがリスクともいえます。毎月少額での買い付けであれば、未経験からでも投資の知識を身につけながら資産を守れます。
投資の基本である「分散投資」をよく理解して、ぜひ投資を初めてみてください!
インフレについて詳しく知りたい方は、こちらの記事もご覧ください。簡単に始められるインフレ対策も紹介しています!
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